新型コロナの影響予測、業界別レポートを無料公開〔xenoBrain AI解析〕

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 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が世界経済に深刻な打撃を与えている問題は、中国や欧米でピークアウトの兆しが出てきたものの、今なお予断を許さない状況が続く。各国が実施したロックダウン(都市閉鎖)によりヒト、モノ、カネの流れが一気に停滞し、非常に多くの企業で業績が悪化する一方、製薬業界をはじめ恩恵を受けるところも出ている。AI(人工知能)を駆使して企業業績の将来予測を手掛けるフィンテック企業、ゼノデータ・ラボは、新型コロナの感染拡大が国内上場企業の今後の売上高や利益にどのような影響を及ぼすのかを業界別にまとめたAI予測レポートを無料公開した。

◇IMF、世界大恐慌以来の景気後退を予測
 新型コロナについて、国際通貨基金(IMF)は4月14日、2020年の世界経済の成長率がマイナス3.0%に落ち込むとの見通しを公表した。これはリーマン・ショックで景気が低迷した2009年のマイナス0.1%を超え、1930年代の世界大恐慌以来最悪の景気後退に陥ることを示している。
 日本経済の悪化も深刻だ。政府は4月7日、新型コロナの感染爆発を防ぐため、東京、大阪、福岡など7都府県を対象に「緊急事態宣言」を発令、その後対象を全国に拡大した。東京都などは外出自粛に加え、遊興施設・商業施設などの一部に休業を要請しており、当面は飲食や旅行、娯楽などの需要は大幅な落ち込みが避けられない。
 世界各国が事実上の国境閉鎖に踏み切る中、3月に日本を訪れた外国人は前年同期比93%の激減となった。航空や観光、宿泊などインバウンド関連の需要低迷は4月以降も回復の見込みが立たない。
 一連の経営環境悪化を受けて国内上場企業の業績悪化も顕著だ。帝国データバンクの集計によると、4月15日時点で業績予想の下方修正を発表した企業は217社に上り、減少した売上高の合計は1兆7000億円を超える。コロナ関連倒産は61件に達し、今後も増加する可能性がある。

 膨大なニュースと企業の決算情報をAIで解析し、社会で発生する現象が企業業績に与える影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」の分析でも、企業業績へのダメージの大きさが浮かぶ。ゼノデータ社は、新型コロナ問題を受けてこれまで2度にわたって、日本、米国、欧州などで感染が拡大した際に、日本企業の業績にどのような影響が及ぶのかをシミュレーションした結果や増益・減益の影響度が大きい企業ランキングなどを盛り込んだ予測レポートを公開してきた。
 第3弾となる今回のレポートでは、国内企業を63の業界に分類し、各業界ごとに新型コロナの感染拡大から想定されるシナリオや影響を受ける企業のランキングなどを紹介している。

◇63業界中35業界に大きなマイナスの影響
 レポートでは、自動車など経済規模の大きな業界をウエイト付けした場合と付けない場合の2パターンで分析を紹介している。経済規模を加味したケースでは、63業界中47業界は業績悪化につながるとの予測になり、このうち35業界はネガティブインパクトが大きいとの結果になった。
 マイナスの影響度が最も大きかったのは自動車業界で、次いで商社・卸売、エネルギーの各業界が続く。自動車はサプライチェーンの混乱に加え、従業員の出勤停止などもあり、工場の生産休止が相次いでいることが影響したようだ。自動車を含め製造業の生産ラインの稼働が落ちることで、電力や発電燃料の需要も減少する。この結果、商社やエネルギー関連業界にもマイナスの影響が働くと予測したとみられる。

 一方、プラスの影響度が大きいと判断されたのは、製薬、スーパー・コンビニ、食品・飲料など10業界だった。製薬は治療薬や新薬開発、新型コロナ迅速診断キット、消毒薬などの需要の高まりが業績拡大につながるとのシナリオが示された。スーパー・コンビニ、食品・飲料業界はテレワークの導入加速、外出自粛で自宅で過ごす人が増えることで「巣ごもり消費」が大きく伸びるとの推測が働いたもようだ。
 これから2020年3月期の決算発表シーズンを迎える。発表の延期や業績予想を「未定」とする企業が続出する中、AI予測レポートも参考にして今後の企業業績の動向を確認したい。

【2020年4月20日 時事通信社提供 】

ネガティブ影響をうける企業のランキング(新型コロナウイルス業界影響AI予測レポートから一部抜粋)
ポジティブ影響をうける企業のランキング(新型コロナウイルス業界影響AI予測レポートから一部抜粋)

【注】
※ 本記事は、AIがアルゴリズムにより解析した結果を表示しております。また、登場する企業の総合的なリスク要因を鑑みた評価ではなくあくまで特定のトピックから受ける影響を予測しております。
※ 本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。
※ 本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しておりますが、タイトル等一部表現を変更している箇所がございます。
※ 時事通信社との提携記事 〔xenoBrain AI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。