新型コロナウイルス拡大の影響予測レポート、ゼノデータ社が公開〔xenoBrainAI解析〕

ゼノブレインによる新型コロナウイルスの影響予測レポートを公開。マイナスの影響度が大きいと判定した業種は、サービス、不動産、建設、陸運、金属製品の順。プラスの影響度が大きかった業種は、医薬品、小売、繊維製品、化学、水産・農林が上位を占めた。

 膨大なニュースと決算情報をAI(人工知能)で解析し、社会現象などが国内上場企業の業績に及ぼす影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」を提供するフィンテック企業、ゼノデータ・ラボは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経営リスク対策ニーズの高まりを受け、この問題に関する分析結果をまとめたレポートを公開した。新型肺炎問題は、旅行、宿泊、外食など多くの企業の売上高や利益の減少要因となる一方、マスクや除菌剤、テレワーク関連業界には特需をもたらしている。レポートでは、業績への影響度が大きいと判定された企業のランキングや予想シナリオ別、業界別にゼノブレインによる解析結果を紹介している。

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 世界保健機関(WHO)は新型ウイルスが「パンデミック」(世界的な大流行)の状態になったと表明。これを受けて世界の株式市場の値下がりが加速している。業績に打撃を受ける企業も相次いでおり、帝国データバンクは3月6日、上場企業45社が売上高を下方修正し、減収額の合計は約4000億円に達すると発表した。

 また、同社が実施した意識調査(調査期間は2月14~29日、1万704社が回答)によると、新型ウイルスの感染拡大によって「業績にマイナスの影響がある」と回答した企業は63.4%に上る。「影響はない」は16.9%、「プラスの影響がある」はわずかに1.7%だった。
 「マイナス」と回答した企業の割合が高かった業種は、繊維・繊維製品・服飾品卸売と旅館・ホテルがそれぞれ89.3%で最も多く、再生資源卸売、繊維・繊維製品・服飾品小売、飲食店が続く。「プラス」の割合が最も多かった業種は医薬品・日用雑貨品小売の12.0%だった。

 ゼノデータ社のレポートによると、ゼノブレインがマイナスの影響度が大きいと判定した業種は、サービス、不動産、建設、陸運、金属製品の順。プラスの影響度が大きかった業種は、医薬品、小売、繊維製品、化学、水産・農林が上位を占めた。

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 今後も上場企業による業績予想修正が増加するとみられるが、新型ウイルスの終息時期が見通せないため、どの程度大きな影響を与えるかは不透明だ。ゼノブレインが導き出した分析と、実際に生じた企業業績への影響を比較することで、AI予測の精度や予想シナリオの妥当性を確認できそうだ。

 ゼノデータ社では、今後も新型コロナウイルスの感染拡大による影響分析を進める方針。欧州や東南アジア、イランへの感染地域の広がりや東京オリンピックが中止になった場合の影響などを取り上げたレポート第2弾の公開を予定している。

新型コロナウイルスによる日本国内感染拡大時の減益予測ランキング
新型コロナウイルス日本感染時、ライブ・イベントが中止になったときの影響シナリオ
新型コロナウイルス日本感染時、ライブ・イベントが中止になったときの影響企業一覧

【2020年3月16日 時事通信社提供 】

《新型コロナウイルスによる減益予測が大きい企業》
・オリエンタルランド
・ファミリーマート
・関電工
・前田建設工業
・三菱地所

《新型コロナウイルスによる増益予測が大きい企業》
・マツモトキヨシHD
・ウエルシアHD
・サンドラッグ
・セイノーHD
・国際紙パルプ商事


【注】
※ 本記事は、AIがアルゴリズムにより解析した結果を表示しております。また、登場する企業の総合的なリスク要因を鑑みた評価ではなくあくまで特定のトピックから受ける影響を予測しております。
※ 本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。
※ 本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しておりますが、タイトル等一部表現を変更している箇所がございます。
※ 時事通信社との提携記事 〔xenoBrain AI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。

新型肺炎で「巣ごもり消費」拡大、関連企業の業績上昇の予測〔xenoBrain AI解析〕

新型コロナウイルスの感染拡大が人々のライフスタイルにも影響を及ぼし始めた。大規模イベントの中止が相次ぐ中、自宅で動画やゲームを楽しみ、食事は宅配サービスを利用するといった「巣ごもり消費」が増加している。AIの将来予測結果は。

 新型コロナウイルスの感染拡大が人々のライフスタイルにも影響を及ぼし始めた。大規模イベントの中止が相次ぐ中、自宅で動画やゲームを楽しみ、食事は宅配サービスを利用するといった「巣ごもり消費」が増加しているという。株式市場では、マスクの需要急増やテレワークの導入加速と並んで関連企業の業績向上に期待が集まる。膨大なニュースと決算情報をAI(人工知能)で分析し、社会で起きる出来事が企業業績に与える影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」を活用して、消費者行動の変化が企業業績に与える影響を探ってみた。

 「モバイルゲーム需要増加」などをキーワードに分析すると、売り上げ増加が予想されたのは、インターネットを利用して商品・サービスを提供する企業やデータセンターなどシステム投資に関連する企業だった。一方、打撃を受ける企業には、外食産業や家電量販店などがピックアップされた。

モバイルゲーム需要増加により業績の上がる企業
xenoBrain解析結果より一部抜粋

 新型ウイルスの感染者が増えるに従って、天皇誕生日の一般参賀やアジア最大級のカメラ見本市「CP+(シーピープラス)」など多くの人が集まる行事が次々と中止になった。日本政府は感染拡大を抑えるため、2月末から2週間は大規模イベントの開催を自粛するよう呼び掛け、全国の学校に休校を要請。今後もプロ野球やサッカー、大相撲などのスポーツやコンサートなどの多くが中止や延期、規模縮小される見通しだ。

 海外に目を向けると、新型コロナウイルスの発生地である中国湖北省では、省内全域を対象に住民に外出禁止令を出し、香港ディズニーランドは休園に踏み切った。感染者が比較的多いイタリアでは一部の自治体が封鎖された。

 世界的に外出を控える動きが強まる中、注目されているのは自宅で楽しめる趣味や娯楽、インターネット通販の利用拡大だ。トレンドの先を読む株式市場でも「巣ごもり消費」が話題になっており、動画配信のUSEN-NEXT HOLDINGSや漫画アプリのAmazia、ゲームのスクウェア・エニックス・ホールディングス、食品宅配の出前館、在宅学習を手掛けるジャストシステムなど多くの企業の名が挙がる。

 「巣ごもり消費」についてAIはどのような予測を示すのか。ゼノブレインで新型ウイルスの感染拡大で想定されるライフスタイルの変化に関連するいくつかのテーマを設定し、解析を実行してみた。企業業績への影響が大きいと判定されたのは「EC(電子商取引)利用拡大」「モバイルゲーム需要増加」「フードデリバリーサービス需要増加」などだった。

 電子商取引・ネット通販増加の関係では、キャッシュレス決済の需要拡大に伴って売り上げ増加につながると想定された企業が多く、家電量販店や現金輸送を手掛ける企業にはマイナス要因になるとの結果だった。

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 新型肺炎が広がる中国でも自宅でゲームに興じる人が増えているように、日本でもモバイルゲームの需要が高まりそうだ。ゼノブレインは、モバイルゲーム事業を展開する企業の一部を増収の影響度が大きいとの予測を示すとともに、携帯電話サービスを提供する通信大手にとっても売り上げ増加につながると分析した。

 外食を控える動きが強まることで、料理やミールキットの宅配サービス、インスタント食品を利用する人が増えると予想されるが、ゼノブレインの分析ではやや意外なシナリオが提示された。宅配サービスを行う企業の業績に与えるプラス効果よりも、自動販売機需要減少による自販機メーカーや飲料会社に与えるマイナスの影響が大きいとの予測が出た。また、外食企業への打撃も「中程度」の影響が予想される分析結果となった。

 新型コロナウイルスの感染は、イタリアやイラン、ブラジルにも波及し、ニューヨークや東京をはじめ世界の株式市場は2月下旬、景気悪化への懸念から大きく値下がりした。マイナスの影響を受ける企業が多数を占めるだけに、マスクやテレワーク、巣ごもり消費に関連する企業には投資家の熱い視線が注がれている。

【2020年3月2日 時事通信社提供 】

《巣ごもり消費拡大により業績へプラスの影響度が高い企業》
3668 コロプラ
9684 スクウェア・エニックス・ホールディングス
9766 コナミホールディングス
3960 バリューデザイン
3784 ヴィンクス
2428 ウェルネット
2307 クロスキャット
6424 高見沢サイバネティックス
3623 ビリングシステム
6249 ゲームカード・ジョイコホールディングス


【注】
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※ 本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。
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新型ウイルス対策でテレワーク導入加速、影響する企業は? 〔xenoBrain AI解析〕

新型コロナウイルスの感染を防ぐため、時差出勤や自宅など職場以外で働く「テレワーク」を導入する企業が相次いでいる。企業の業績への影響は?

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、時差出勤や自宅など職場以外で働く「テレワーク」を導入する企業が相次いでいる。東京オリンピック期間中の混雑緩和対策としても注目を集めるテレワークの広がりは、どのような企業の業績に影響を与えるのか。AI(人工知能)によるニュースと企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で新型ウイルス関連記事を分析すると、業績にマイナスの影響を与えるシナリオが多数提示される中、幅広い企業にプラスの影響が及ぶテーマとしてテレワークの利用拡大がピックアップされた。IT機器メーカーをはじめ、関連システムを提供する企業の売り上げ増加につながりそうだ。

テレワーク推進による企業業績への影響ツリー
xenoBrainから一部抜粋

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 テレワークは「Tele(離れたところで)」と「Work(働く)」を組み合わせた言葉。リモートワークとも呼ばれ、新型コロナウイルスの問題が深刻化する前から注目を集めていた。今年から本格的にスタートした「働き方改革」では、通勤時間削減や子育てと仕事を両立できる就労形態と位置づけられている。台風や地震など災害発生時の対応策にもなり、東京五輪期間中に予想される交通機関の混雑緩和対策として導入する企業も多い。総務省の調査によると2018年にテレワークを導入している企業は19.1%で、特に大企業での取り組みが進んでいる。

 こうした中で今回の新型ウイルスによる肺炎感染の拡大がテレワークへの関心を一段と高めることになった。NTTグループは、国内の従業員約18万人を対象にテレワークや時差出勤を促す取り組みを実施。NECやソフトバンク、ヤフーなど多くの企業が同様の対策を打ち出している。自治体では東京都が約1万人の職員を対象に実施する方針で、総務省は全国の自治体に対し、地域の実情に応じてテレワークを取り入れるよう求めた。

 テレワークは、自宅のほか、企業が通常の勤務地以外に設置したサテライトオフィス、あるいは民間のシェアオフィスで、パソコンやタブレット端末などを使って業務を行う。まずはIT機器が必要になるが、それ以外に重要情報を安全に取り扱うためのセキュリティ対策が不可欠であり、多くの人が情報を共有したりコミュニケーションするためのソフトウエア、テレビ会議システム、クラウドサービスなど関連する製品・サービスは多岐にわたる。

 AIを活用して経済予測を行うゼノブレインの分析でも、「リモートワーク推進」が多数の企業にとって業績拡大要因になるとのシナリオが示された。売り上げ増加につながる影響度が大きかったのは「テレワーク導入支援サービス需要増加」で、安全性の高いネットワーク環境を提供する企業やテレワーク用ソフトを手掛ける企業などがピックアップされた。このほか「クラウド需要増加」「テレビ会議システム需要増加」「パソコン・周辺機器需要増加」も予測した。

 一方、業績にマイナスの影響が及ぶと予測された企業もあった。中国でも新型コロナウイルスの影響でテレワークが活用されているが、テレビ会議を行うと多くの従業員がパジャマ姿で参加したという話も伝えられている。ゼノブレインはテレワークが広がると、服装や化粧にこだわらない会社員が増えるとの連想を働かせたもようで、「化粧品需要減少」「紳士衣料需要減少」のシナリオを示し、関連する企業の減収要因になると分析した。ただ、売り上げ減少につながる影響度は「中程度」で、それほど大きな打撃にはならないとの判定だった。

 政府は2017年から五輪開会日の7月24日を「テレワーク・デイ」に指定し、企業に導入を呼び掛けてきた。今年は五輪本番を迎えるため強力な普及促進策を展開する方針。テレワーク関連企業は株式市場でも人気化しており、今後も注目を集めそうだ。

【2020年2月25日 時事通信社提供 】

《リモートワーク推進による業績へプラスの影響度が高い企業》
・9437 NTTドコモ
・3774 インターネットイニシアティブ
・3915 テラスカイ
・7984 コクヨ
・1973 NECネッツエスアイ


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新型コロナウイルス拡大による、メーカー業績への影響を予測〔xenoBrain AI解析〕

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、中国に生産・販売拠点を構える日本企業の業績に対する影響も懸念され始めた。AI(人工知能)でニュースを解析し、経済への影響を予測するxenoBrainのシナリオを一部公開

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、中国に生産・販売拠点を構える日本企業の業績に対する影響も懸念され始めた。AI(人工知能)でニュースを解析し、経済動向を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析したところ、ドラッグストアなどインバウンド(訪日外国人旅行者)関連企業への打撃を除くと、自動車メーカーなどの売り上げや利益に与える影響はそれほど大きくないとの結果が出た。

中国新型コロナウィルスから影響を受ける企業業績
xenoBrainから一部抜粋

  中国では、「COVID-19」と名付けられた新型ウイルスによる肺炎の死者が1700人を超え、感染者は7万人を突破した。 春節(旧正月)の大型連休が終わった後も自宅待機する人が多く、経済活動は正常化にはほど遠い状況。中国政府が海外への団体旅行を禁止したことで、日本をはじめ各国を訪れる中国人旅行者が大きく落ち込み、化粧品や家電製品の「爆買い」減少や宿泊施設の大量キャンセル、航空便の運航停止が相次ぎ、インバウンドに関連する企業の業績には打撃を与えることが確実な情勢だ。

 社会で起きるさまざまな現象は、株式市場にも影響を与える。ニューヨーク株式市場は1月末にダウ工業株30種平均が急落したが、ウォール街では「この問題の影響は限定的だ」との見方が多く、その後は史上最高値水準まで上昇。東京株式市場の日経平均株価も大きく下げたあとは回復基調をたどる。ただ、市場関係者の間でも、新型コロナウイルスの影響を見極めるにはもうしばらく時間が必要だとの考えが支配的で、今後も不安定な動きを続ける可能性が高い。

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 こうした中、インバウンド関連消費の落ち込みに加えて、中国に生産・販売拠点を展開する企業への影響も懸念されはじめた。中国に工場がある企業は、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車やソニー、ルネサスエレクトロニクス、京セラ、日本たばこ産業など数多い。小売り業界でもファーストリテイリング、良品計画、ニトリホールディングスなどが店舗を展開している。

 新型コロナウイルス問題への懸念が強まった2月初頭にゼノブレインで企業業績への影響を分析したが、訪日外国人向けの売り上げが多いドラッグストアへの打撃が大きいとの結果になった。AIは日々蓄積されるニュースを「学習」し、予測の精度を高めようとしている。そこで改めてゼノブレインにより日本企業への影響を調べてみた。分析結果は、売り上げや利益の減少につながると予測された企業は膨大な数に上るが、影響度が大きいと評価されたのは「訪日外国人数減少→ドラッグストア需要減少」のシナリオであることに変わりはなかった。ただし、マスクの需要が急拡大していることはプラス要因だ。

 中国に生産・販売拠点がある日本企業については、自動車メーカー、スーパー、外食企業などが減収候補にピックアップされたが、いずれも影響度は小さいとの判定だった。スーパー、外食は中国での販売比率がそれほど大きくないことが一因だと考えられるが、自動車メーカーの場合は、影響が十分読み取れていない面もありそうだ。

 中国での経済活動が低迷することで、物流業界にもマイナスの影響が見込まれる。工場や店舗が稼働しなければ、資材や商品の輸送需要も落ち込む。ゼノブレインの分析では、物流企業の売り上げ減少のシナリオを描く一方、プラスの要因も働くという予測も示した。新型ウイルスへの感染を防ぐため、中国で暮らす人々の間では外出を控えてインターネット通販や電子商取引(EC)の利用が増え、物流企業の増収要因になるとの分析が働いたとみられる。「EC需要増加→物流需要増加」の関係を指摘し、多数の企業の増収要因になるとの解析結果が提示されたが、この場合の影響度も大きくはなかった。

 現時点までのニュースの分析からゼノブレインは、インバウンド関係以外の分野では、新型コロナウイルスが企業業績に及ぼす影響は限定的だと評価した。ただ、今後の感染拡大状況などによって日本や世界の経済への影響度合いは変わってくる。楽観はできない。

【2020年2月17日 時事通信社提供 】


【注】
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成田空港に3本目の滑走路、企業業績に与える影響を予想〔xenoBrain AI解析〕

成田空港に3本目の滑走路を建設し、年間発着枠を大幅に拡大する事業が動きだす。このプロジェクトにより業績に影響がある企業はどこか。AI(人工知能)の解析結果を一部公開

 成田空港に3本目の滑走路を建設し、年間発着枠を大幅に拡大する事業が動きだす。このプロジェクトにより業績に影響がある企業はどこか。膨大なニュースや決算資料をAI(人工知能)によって解析し、企業業績への影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析すると、空港運営会社や鉄道会社、手荷物搬送システムを手掛ける企業の売り上げ増加につながる可能性が高いとの結果が示された。

 中国で発生した新型コロナウイルスの影響で足元では苦戦が強いられるインバウンド(訪日外国人旅行者)事業だが、東京オリンピックや大阪万国博覧会を控え、今後も成長が期待できる。インバウンド拡大策の一環として、滑走路の新設を柱とする成田空港の拡張計画が国土交通省から許可された。新滑走路は2029年3月末に完成の予定。これにより年間発着回数が現在の最大30万回から50万回に拡大し、輸送可能な旅客数も3700万人から7500万人にアップする。成田空港運営会社の試算では、年間50万回の発着が実現すると、約5兆4000億円の経済押し上げ効果があるという。

 滑走路建設と聞いて思い浮かぶのは、工事を担当する建設会社に対するプラスの影響だ。国交省の資料によると空港拡張の事業費は約5000億円。ゼノブレインの分析結果を見ると、建設会社が増収になるシナリオは提示されたものの、影響の大きさを示すスコアは軒並み「1.0」以下(最大値は100)にとどまった。1つの空港の工事だけでは、売り上げ増加に与える影響は小さいと判断したようだ。

 一方、業績への影響度が大きかったのは「空港拡張→空港利用者数増加」「同→成田エクスプレス利用者数増加」「同→手荷物搬送システム需要増加」のシナリオで、関連する企業の売り上げ増加につながると予測された。空港で物品販売を手掛ける企業や鉄道会社、手荷物搬送装置を製造する一部の物流システム企業は、スコアが「50」を超え「HIGH(影響度大)」と判定された。ただし、成田空港を運営する「成田国際空港株式会社」は国が全額出資する非上場の特殊会社であるため、ゼノブレインの分析対象から除外されていることには留意が必要だ。

成田空港の滑走路が拡大した場合の企業への影響分析
xenoBrainから一部抜粋

 今回の分析から、成田空港の拡張事業は建設工事がもたらす影響よりも、旅客数が増加することで生じるメリットの方が大きいことが読み取れる。新滑走路の完成はまだ先だが、インバウンド消費が拡大すれば、ドラッグストアなど他の企業にも幅広く恩恵が及ぶことが期待できる。

【2020年2月10日 時事通信社提供 】

《影響スコアHIGH企業一覧》
・9706 日本空港ビルデング
・6369 トーヨーカネツ
・9020 東日本旅客鉄道


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新型コロナウイルス、「爆買い」不発が業績にマイナス影響〔xenoBrain AI解析〕

新型コロナウイルスが世界経済に及ぼす影響が懸念されているが、AI(人工知能)はこの問題と日本企業の業績との関係をどのように予測するのか。解析結果を一部公開

中国で発生した新型コロナウイルスが世界経済に及ぼす影響が懸念されているが、AI(人工知能)はこの問題と日本企業の業績との関係をどのように予測するのか。ニュースと企業決算をAIで解析するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」が新型ウイルス関連のニュース分析から導き出したシナリオは「マスク需要増加」「医薬品需要増加」「中国の旅行需要減少」など増収シナリオ、減収シナリオが入り混じるが、最も大きな影響があると想定したのは「訪日中国人減少→化粧品需要減少」によるドラッグストアへの打撃だった。中国での新型ウイルス感染者は2003年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を既に上回っており、世界保健機関(WHO)は緊急事態を宣言。今後の動向が注目される。

 野村総合研究所のエコノミスト は、SARSのケースを基に今回の新型ウイルスの影響を分析。中国人を含む訪日外国人減少が、日本の国内総生産(GDP)を0.14%、金額では7760億円押し下げると試算した。昨年に日本を訪れた外国人約3188万人のうち、中国人は約959万人に上り第1位だ。SARS流行時に比べて訪日中国人の数は20倍以上に増えており、その分ダメージも大きくなると予想される。

訪日中国人による企業への影響
xenoBrainから一部抜粋

 ゼノブレインが示した複数のシナリオのうち、企業への影響が最も大きいと予測されたのも「訪日中国人減少」だった。春節(旧正月)の大型連休中は例年多くの中国人が日本を訪れるが、中国政府は団体客の海外旅行を禁止する措置を実施。最悪のタイミングでの新型ウイルス発生になった。

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 来日した中国人による「爆買い」は経済に大きな恩恵をもたらしてきた。購入商品は、化粧品、おむつ、健康食品、医薬品、家電製品など多岐にわたる。ゼノブレインの解析結果では、減収が想定される候補として、中国人に人気のある商品を扱う企業がずらりと並んだ。中でも影響が大きいと予測されたのが「訪日中国人減少→化粧品需要減少→企業の減収」のシナリオ。影響を受ける度合いが大きい企業としてドラッグストア各社がピックアップされた。減収の影響スコアは「20」前後(最大値は100)と、中程度の影響があるとの予測になった。

 新型コロナウイルスによる肺炎患者数拡大に伴い東京株式市場では、インバウンド(訪日外国人旅行者)で収益を上げるANAホールディングスなどの航空会社や東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド、資生堂など化粧品メーカーの株価が急落した。一方、マスクの製造に関係するシキボウ、アゼアス、川本産業などが人気化。中国ではマスクの製造が追いつかず、日本で購入する中国人が大幅に増えているため、こうした企業の株に買いが集まった。ゼノブレインも「中国のマスク需要増加→企業の増収」のシナリオを示し、これらの企業をピックアップしている。ただ、増収への影響度は「化粧品需要減少」に比べると小さかった。マスクは単価が安く、インバウンド需要の落ち込みによる影響の方が打撃が大きいと判断したようだ。

 ゼノブレインは「新型ウイルス発生→医薬品需要増加→企業の増収」のシナリオで製薬会社にプラスの影響があるとの予測も示したが、いずれの企業も中国での販売比率が高くないため、スコアは「LOW(影響度小)」に分類される「1.0~3.8」の水準にとどまった。  今回の新型ウイルスによる影響がどの程度まで膨らむかは、この問題が長期化するのか、短期間で終息するかで大きく変わってくる。AIの予測結果も踏まえて、今後の動向を注視する必要がある。

【2020年2月3日 時事通信社提供 】

《訪日中国人数の減少によるマイナスの影響度が比較的高い企業》
・9989 サンドラッグ
・4967 小林製薬
・3098 ココカラファイン
・8225 タカチホ
・3088 マツモトキヨシホールディングス
・4912 ライオン


【注】
※ 本記事は、AIがアルゴリズムにより解析した結果を表示しております。また、登場する企業の総合的なリスク要因を鑑みた評価ではなくあくまで特定のトピックから受ける影響を予測しております。
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○〔ゼノブレインAI解析〕中東情勢緊迫化の影響は「中」程度

米国とイランの対立による中東情勢の緊迫化が日本企業に与える影響はどの程度のものなのか。AI(人工知能)によるニュースと企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析した

 米国とイランの対立による中東情勢の緊迫化で年明け早々から株式、為替、商品先物市場が乱高下した。今後の展開には不透明が強いが、この問題が日本企業に与える影響はどの程度のものなのか。AI(人工知能)によるニュースと企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析したところ、中東をめぐる地政学リスクの上昇が日本企業の業績に与える影響は「中」程度との予測が示された。
 中東で紛争が生じた場合、ほぼ例外なく、この地域が主要産出国である原油、天然ガスの価格が上昇する。ゼノブレインの分析結果も、中東地政学リスク上昇→原油・天然ガス価格上昇のシナリオを導き出している。その結果、電力、海運、化学メーカーなどでは原料・燃料コストの上昇が減益要因として作用すると指摘した。ただ、地政学リスク上昇が業績に与える影響度を示す「シナリオ影響スコア」は、100を最大値とする指数で20以下ばかり。各社の事業構成などからみて、それほど大きな影響は与えないと評価したようだ。
 化石燃料以外の影響についてゼノブレインは、金や銅、アルミニウムの価格が上昇するとのシナリオを示した。アルミは大量の電気を使用して製造されるため、燃料価格と連動すると判断したのだろう。金や銅価格の上昇を指摘したのは、地政学リスクが商品先物取引などに与える影響をAIが認識しているためだと考えられる。中東や朝鮮半島など各地で軍事的緊張が高まると、金融市場では株などの「リスク資産」を売り、金などの「安全資産」を買う動きが強まることが多い。金や銅の値上がりは鉱業会社にとっては増収要因、電子部品メーカーなどでは減益要因となるが、こちらもシナリオ影響スコアは20以下だった。
 ゼノブレインでは、影響度の大きさの目安として、スコアが33以上を「HIGH」、10以上33未満を「MID」、10未満を「LOW」に分類して表示している。

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2020/01/27/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。(了)

【2020年1月27日 時事通信社提供 】
※本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しております。
※ 時事通信社との提携記事 〔ゼノブレインAI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。

○〔ゼノブレインAI解析〕新機能スタート、予想シナリオの確度をスコア表示

米国では若者の間で電子たばこが急速に広がる一方、使用との関連が疑われる呼吸器疾患が多発。一部の州では、購入可能年齢引き上げなどの規制強化に乗り出した。

膨大なニュース記事と決算データをAI(人工知能)を使って解析し、世界で起きるさまざまな出来事が日本企業の業績や素材価格に与える影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」に新たな機能が装備された。これまでは分析対象とする事象によって業績に影響がありそうな企業がピックアップされたが、影響の度合いまでは出なかった。新機能の「シナリオ影響スコア」は、業績に影響する確度を数値で表示するもので、利便性が大きく向上した。米国の電子たばこ規制を例に新機能を試してみた。
 米国では若者の間で電子たばこが急速に広がる一方、使用との関連が疑われる呼吸器疾患が多発。一部の州では、購入可能年齢引き上げなどの規制強化に乗り出した。こうした規制が日本企業に与える影響はあるのだろうか。ゼノブレインで分析したところ、米国に店舗があるコンビニが減収となり、リチウムイオン電池の需要が減少するとのシナリオを提示した。
 「シナリオ影響スコア」が示した数値を見ると、規制強化による電子たばこの需要減少が減収要因になると想定されるコンビニの場合、セブン&アイ・ホールディングスが「35.2」、ローソンが「3.3」と、セブンに与える影響の方が大きいという予測になった。この差は米国での売上高の違いが最大の理由だと考えられる。直近の資料によると、セブンは米国で約9000店舗、ローソンはハワイ州に2店舗と大きな開きがある。ゼノブレインは両社の決算資料から売上高に占める米国の構成比、電子たばこの販売比率を読み取り、影響度を算出している。この数値は減収になる確率を示すものではなく、影響が及ぶ確度を最大100の数値で指数化したものだ。スコア算出の根拠となった米国の販売比率などのデータを参照することもできるので、何故そのような予測が示されたのかが理解しやすくなった。
 一方、リチウム電池の需要減少では、電池メーカーや電子部品メーカーの減収要因になるとの予測を示したが、いずれもスコアの値は小さかった。リチウム電池の用途のうち電子たばこ向けが占める比率が低いためだ。これらを合わせて評価すると、米国の電子たばこ規制による日本企業への影響はそれほど大きくないと判断できる。

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2020/01/20/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。(了)

【2020年1月20日 時事通信社提供 】
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※ 時事通信社との提携記事 〔ゼノブレインAI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。

○〔ゼノブレインAI解析〕五輪イヤー幕開け、健康志向の高まりが商機に

東京五輪イヤーが幕を開けた。五輪開催を機に日本人のスポーツや健康への意識が一段と高まることが予想される。

 東京五輪イヤーが幕を開けた。五輪開催を機に日本人のスポーツや健康への意識が一段と高まることが予想される。AIによるニュースと企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で「健康志向拡大」をキーワードに将来予測を実行すると、影響が及ぶ上場企業は1000社以上に達した。このうち9割強が増収や増益になると予想されており、産業界にとっては大きなビジネスチャンスになりそうだ。
 食生活の改善や運動、快適な睡眠など健康増進のためにはさまざまな手段がある。ゼノブレインの分析では、食生活に関連する分野として機能性食品・飲料、水産物、サラダ、ヨーグルトなどの需要増加がピックアップされた。運動関係をみると、スポーツスクール、健康家電、フィットネスクラブ、自転車などの需要増、睡眠ではスマート枕や睡眠アプリ、睡眠計測サービス、ウエアラブル端末、IoT機器の需要増が示された。恩恵を受ける企業は、食品、流通、建設、家電など多種多様な業種に広がる。
 一方、マイナスの影響としては、炭酸飲料の販売が減少し、それに伴いアルミ缶・スチール缶の需要も落ち込むとの予測になった。やや意外だったのは、清涼飲料の需要増加による砂糖価格上昇と、砂糖を原材料にする食品・飲料・菓子メーカーが減益になるとのシナリオだ。運動後に口にするスポーツドリンクなどの清涼飲料には比較的多くの砂糖が含まれており、ゼノブレインもこうした点を踏まえて砂糖価格の上昇を指摘したとみられる。ただ、マイナス予想が示された企業の中には、健康食品関連でプラス予想が同時に示されているケースもある。個々の企業への影響を判断するには、対象企業に関係する複数の要因を確認する必要がある。

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2020/01/14/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。

【2020年1月14日 時事通信社提供 】
※本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しております。
※ 時事通信社との提携記事 〔ゼノブレインAI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。

○〔ゼノブレインAI解析〕日米貿易協定発効で牛肉価格はどうなる?

日米間の農産物や工業品などの関税を撤廃・削減する貿易協定が国会で承認され、2020年1月に発効する見通しになった。日本への影響としては、米国産牛肉などの輸入価格低下や工業製品の米国向け輸出拡大が予想されている

 日米間の農産物や工業品などの関税を撤廃・削減する貿易協定が国会で承認され、2020年1月に発効する見通しになった。日本への影響としては、米国産牛肉などの輸入価格低下や工業製品の米国向け輸出拡大が予想されている。AIによるニュースと企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で「日米貿易協定発効」のニュースを分析すると、概ねこうした予想に沿う結果が示された。ただ、牛肉価格の動向については解釈が難しい予測が出た。
 日米貿易協定では米国から輸入する牛・豚肉、小麦、ワイン、乳製品などの関税が大幅に引き下げられ、安い農畜産物が大量に日本に入ってくるとみられている。ゼノブレインは、焼肉チェーンを展開する企業や小麦粉を原料に使用する菓子メーカーなどの増益、ワイン輸入会社の増収予想を示した。また、楽器や眼鏡、自転車部品メーカーも輸出拡大で増収が予想された。高い関税が維持されたコメについては影響なしと判断したもようで、関連事項の提示はなかった。想定される影響をほぼ網羅した予測と言えるだろう。
 悩ましかったのは、牛肉の価格動向だ。ゼノブレインは、日本による米国産牛の輸入増加は世界的に見ると牛肉価格の上昇要因になるとして、外食各社の減益を予想した。日本国内の米国産牛肉の価格は関税が低くなる分、大幅に値下がりすることが確実だが、世界全体の牛肉価格は上昇する可能性があるとするAIの指摘には注意が必要だろう。日本の輸入拡大が世界の牛肉価格をつり上げるほどのインパクトを与えるのか疑問もあるが、協定発効後の実際の価格の動きに注目したい。

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【2019年12月16日 時事通信社提供 】
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