○〔ゼノブレインAI解析〕中東情勢緊迫化の影響は「中」程度

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 米国とイランの対立による中東情勢の緊迫化で年明け早々から株式、為替、商品先物市場が乱高下した。今後の展開には不透明が強いが、この問題が日本企業に与える影響はどの程度のものなのか。AI(人工知能)によるニュースと企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析したところ、中東をめぐる地政学リスクの上昇が日本企業の業績に与える影響は「中」程度との予測が示された。
 中東で紛争が生じた場合、ほぼ例外なく、この地域が主要産出国である原油、天然ガスの価格が上昇する。ゼノブレインの分析結果も、中東地政学リスク上昇→原油・天然ガス価格上昇のシナリオを導き出している。その結果、電力、海運、化学メーカーなどでは原料・燃料コストの上昇が減益要因として作用すると指摘した。ただ、地政学リスク上昇が業績に与える影響度を示す「シナリオ影響スコア」は、100を最大値とする指数で20以下ばかり。各社の事業構成などからみて、それほど大きな影響は与えないと評価したようだ。
 化石燃料以外の影響についてゼノブレインは、金や銅、アルミニウムの価格が上昇するとのシナリオを示した。アルミは大量の電気を使用して製造されるため、燃料価格と連動すると判断したのだろう。金や銅価格の上昇を指摘したのは、地政学リスクが商品先物取引などに与える影響をAIが認識しているためだと考えられる。中東や朝鮮半島など各地で軍事的緊張が高まると、金融市場では株などの「リスク資産」を売り、金などの「安全資産」を買う動きが強まることが多い。金や銅の値上がりは鉱業会社にとっては増収要因、電子部品メーカーなどでは減益要因となるが、こちらもシナリオ影響スコアは20以下だった。
 ゼノブレインでは、影響度の大きさの目安として、スコアが33以上を「HIGH」、10以上33未満を「MID」、10未満を「LOW」に分類して表示している。

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2020/01/27/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。(了)

【2020年1月27日 時事通信社提供 】
※本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しております。
※ 時事通信社との提携記事 〔ゼノブレインAI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。