成田空港に3本目の滑走路、企業業績に与える影響を予想〔xenoBrain AI解析〕

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 成田空港に3本目の滑走路を建設し、年間発着枠を大幅に拡大する事業が動きだす。このプロジェクトにより業績に影響がある企業はどこか。膨大なニュースや決算資料をAI(人工知能)によって解析し、企業業績への影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析すると、空港運営会社や鉄道会社、手荷物搬送システムを手掛ける企業の売り上げ増加につながる可能性が高いとの結果が示された。

 中国で発生した新型コロナウイルスの影響で足元では苦戦が強いられるインバウンド(訪日外国人旅行者)事業だが、東京オリンピックや大阪万国博覧会を控え、今後も成長が期待できる。インバウンド拡大策の一環として、滑走路の新設を柱とする成田空港の拡張計画が国土交通省から許可された。新滑走路は2029年3月末に完成の予定。これにより年間発着回数が現在の最大30万回から50万回に拡大し、輸送可能な旅客数も3700万人から7500万人にアップする。成田空港運営会社の試算では、年間50万回の発着が実現すると、約5兆4000億円の経済押し上げ効果があるという。

 滑走路建設と聞いて思い浮かぶのは、工事を担当する建設会社に対するプラスの影響だ。国交省の資料によると空港拡張の事業費は約5000億円。ゼノブレインの分析結果を見ると、建設会社が増収になるシナリオは提示されたものの、影響の大きさを示すスコアは軒並み「1.0」以下(最大値は100)にとどまった。1つの空港の工事だけでは、売り上げ増加に与える影響は小さいと判断したようだ。

 一方、業績への影響度が大きかったのは「空港拡張→空港利用者数増加」「同→成田エクスプレス利用者数増加」「同→手荷物搬送システム需要増加」のシナリオで、関連する企業の売り上げ増加につながると予測された。空港で物品販売を手掛ける企業や鉄道会社、手荷物搬送装置を製造する一部の物流システム企業は、スコアが「50」を超え「HIGH(影響度大)」と判定された。ただし、成田空港を運営する「成田国際空港株式会社」は国が全額出資する非上場の特殊会社であるため、ゼノブレインの分析対象から除外されていることには留意が必要だ。

成田空港の滑走路が拡大した場合の企業への影響分析
xenoBrainから一部抜粋

 今回の分析から、成田空港の拡張事業は建設工事がもたらす影響よりも、旅客数が増加することで生じるメリットの方が大きいことが読み取れる。新滑走路の完成はまだ先だが、インバウンド消費が拡大すれば、ドラッグストアなど他の企業にも幅広く恩恵が及ぶことが期待できる。

【2020年2月10日 時事通信社提供 】

《影響スコアHIGH企業一覧》
・9706 日本空港ビルデング
・6369 トーヨーカネツ
・9020 東日本旅客鉄道


【注】
※ 本記事は、AIがアルゴリズムにより解析した結果を表示しております。また、登場する企業の総合的なリスク要因を鑑みた評価ではなくあくまで特定のトピックから受ける影響を予測しております。
※ 本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。
※ 本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しておりますが、タイトル等一部表現を変更している箇所がございます。
※ 時事通信社との提携記事 〔xenoBrain AI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。