コロナで加速するペーパーレス化、企業業績の悪化要因と予測〔xenoBrain AI解析〕

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新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、日本企業の間で一気に導入が進んだテレワーク。しかしながら、印刷した契約書や請求書、書類を基本とする制度や慣行により、文書に押印するためだけに出社するケースが続出した。こうした状況を受けて政府は、押印や書面提出による手続きや業務形態を改め、ペーパーレス化やデジタル化を一段と進める方針を示す。書類や印鑑が電子化されると企業経営にはどのような影響があるのか。AI(人工知能)による経済の予測サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で「ペーパーレス化」をキーワードに分析すると、意外にも業績悪化につながると指摘された企業が多数を占めた。

産業界ではITを活用して業務を改革するデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが活発になっている。ペーパーレス化が進めば、テレワークにメリットがあるだけでなく、オフィス内で職員の固定席を設けない「フリーアドレス」が導入しやすくなるほか、膨大な書類の保管スペースも不要になるなどDX推進の基盤整備につながる。いいことずくめのようだが、AIの予測では企業の業績悪化要因になるとのシナリオが数多く指摘された。

マイナスのシナリオを見ると、文書保管庫需要減少で倉庫会社が、プリンターや複合機需要が落ち込むことでOA機器メーカーや関連部品メーカーがそれぞれ減収になるとの予測が示された。また、AIは世の中でペーパーレス化が進むと、新聞や雑誌のデジタル化も加速すると判断したもようで、新聞や雑誌のための「紙」の需要が落ち込むとともに、インクや印刷機械といった関連企業の業績にもマイナスに作用すると分析した。

一方、プラスのシナリオは、「雑誌需要減少 → 古紙需要減少」により古紙の価格下落を予測し、これによりコスト低下のメリットを受ける段ボール製造企業の増益要因になるという指摘だけだった。ペーパーレス化により、資料を見るためのタブレット端末や電子化した文書を保管するクラウドやサーバー需要の拡大などメリットを受ける分野も少なくないと思われるが、今回の分析でこうした指摘はなかった。ただ、ゼノブレインには「電子署名需要増加」のシナリオでの分析もあり、こちらのシミュレーションでは業績拡大につながる企業もピックアップされている。

「日本ペーパーレス化進行」による影響。xenoBrainより一部抜粋
「日本電子署名需要増加」による影響。
「日本電子署名需要増加」による影響。xenoBrainより一部抜粋

【2020年6月22日 時事通信社提供 】

《日本ペーパーレス化進行で減収が見込まれる企業(影響度Mid以上)》
9322 川西倉庫
9313 丸八倉庫
3877 中越パルプ工業
3880 大王製紙
6839 船井電機


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【注】
※ 本記事は、AIがアルゴリズムにより解析した結果を表示しております。また、登場する企業の総合的なリスク要因を鑑みた評価ではなくあくまで特定のトピックから受ける影響を予測しております。
※ 本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。
※ 本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しておりますが、タイトル等一部表現を変更している箇所がございます。
※ 時事通信社との提携記事 〔xenoBrain AI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。