新型ウイルス、国内製造業でも業績への影響はさまざま〔ゼノブレインAI解析〕

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える打撃への懸念が強まってきた。感染者がヨーロッパや中東に広がったことをきっかけにニューヨークや東京などで株価が急落。日産自動車や

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える打撃への懸念が強まってきた。感染者がヨーロッパや中東に広がったことをきっかけにニューヨークや東京などで株価が急落。日産自動車やファーストリテイリングなど業績予想を下方修正する企業も相次いでいる。

AI(人工知能)を活用してニュースと決算情報を解析し、企業業績への影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で関連ニュースを分析すると、予想されるシナリオとして、インバウンド(訪日外国人客)関連消費の落ち込み、テレワークの導入加速などが浮かんだ。国内製造業でも、手掛ける製品・サービスの違いによって業績への影響は明暗が分かれる。ゼノブレインが搭載する業種を絞り込んで分析する機能を使い、電気機器、化学、繊維業を対象に将来予測を行ってみた。

《xenoBrainについてはこちら

ニューヨーク株式市場は、新型肺炎問題が発生したあともダウ工業株30種平均は史上最高値圏で推移していた。ウォール街では当初「影響は一時的」との楽観論が支配的だったが、イタリアやイランでの感染者発生でムードは一変。ダウ平均が史上最大の下げ幅を記録するなど2月下旬以降、世界の株式市場は不安定な動きを続けている。

新型コロナウイルスによる影響をゼノブレインで予測すると、いくつもの予想シナリオが提示された。訪日外国人の「爆買い」落ち込みに伴うコンビニエンスストアや化粧品メーカーの売り上げ減少。あるいは、感染防止のために自宅などで仕事をするテレワークの導入加速によるシステム企業の売り上げ増加。外出を控え自宅で食事の宅配やゲーム、動画配信サービスを利用する「巣ごもり消費」の拡大などだ。

このように新型ウイルスの影響は幅広い業種に及ぶが、特定の業界に着目するとどのような景色が見えるのか。ゼノブレインでは、全上場企業を対象にした予測のほか、時価総額の大きさや業種を絞り込んだ分析もできる。業種別の分析を実行すると、同業種でも事業内容によって影響はさまざまであることが読み取れる。

まずは電気機器業。プラスの影響度が大きいと判定されたのは「生活家電」を手掛けるメーカーだった。感染防止のために外食を控えると、自宅での調理が増えることが予想される。こうした推測から炊飯器や調理器具などの需要が増加すると判断したようだ。マイナスの影響が想定されたのは、鉄道に関係する企業。このシナリオでは「テレワーク需要増加→鉄道需要減少」の因果関係から、鉄道車両や受配電・制御機器、信号などを製造する企業の売り上げが減少するとの予測になった。

繊維業はどうか。プラスの影響度が大きい企業として、マスクの製造に関連するメーカーがピックアップされ、医薬品などの包装用フィルムを製造するメーカーも売り上げ増加が予測された。マイナスの影響が及ぶのは衣料品メーカー。テレワークの導入が進むと衣服にこだわる必要が薄れるとの連想から、これらの企業の減収シナリオを示したようだ。

新型コロナウイルスによる繊維業界の影響企業一部抜粋
xenoBrain分析結果より一部抜粋

化学業界はプラスの影響度が大きいと判定された企業が多かった。ゼノブレインは、需要増加が想定される製品として「医薬品」「ボディケア製品」「除菌剤」「農薬」を挙げ、これらを製造するメーカーの売り上げ増加を予測した。

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える影響を現時点で見極めるのは困難だ。世界各国の経済情勢を調査している国際通貨基金(IMF)は「今年の世界経済の成長率は2019年(2.9%)を下回る」と指摘し、リーマン・ショック後の2009年以来の低成長に落ち込むとの見通しを示しているが、サプライチェーン(部品供給網)や観光業などへの打撃がどの程度になるのか、引き続き経済動向を注視する必要がある。

《新型コロナウイルスにより、増収影響を受ける電子機器、繊維、繊維業界の企業(一部抜粋)》
6752 パナソニック
6731 ピクセラ
6753 シャープ
3101 東洋紡
3402 東レ
3302 グンゼ
3593 ホギメディカル
3604 川本産業
4192 ライオン
4985 アース製薬
8113 ユニ・チャーム

【注】
※ 本記事は、AIがアルゴリズムにより解析した結果を表示しております。また、登場する企業の総合的なリスク要因を鑑みた評価ではなくあくまで特定のトピックから受ける影響を予測しております。
※ 本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。
※ 本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しておりますが、タイトル等一部表現を変更している箇所がございます。
※ 時事通信社との提携記事 〔xenoBrain AI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。

○〔ゼノブレインAI解析〕東京五輪、メリット多いが素材価格の上昇に注意

東京五輪・パラリンピック開幕まで1年を切った。「東京オリンピック開催」は、どのような経済効果をもたらすのか。AIによるニュースや決算情報の解析サービス「xenoBrain

 東京五輪・パラリンピック開幕まで1年を切った。「東京オリンピック開催」は、どのような経済効果をもたらすのか。AIによるニュースや決算情報の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」は、鉄道などの輸送機関や燃料、ホテル、インバウンド関連の多様な商品・サービス、テレビやセキュリティ対策などの需要増加につながるとの見通しを示した。一方、エネルギー資源や素材価格は需要増による値上がりの可能性があり、企業の減益要因となる点には注意が必要だ。
 五輪期間中は各国の選手・観客らの移動や物資運搬など多くの面で輸送需要の拡大が予想される。ゼノブレインは、鉄道・バス・タクシー会社に加えて、車両製造に関連する企業も増収が期待されると分析する。インバウンド関係では、ホテル・民泊のほか、おむつ、化粧品、健康食品、外食、キャッシュレス決済など幅広い産業に恩恵があると指摘した。
 東京五輪の開催は、非常に多くの企業にとって増収要因になると見込まれるが、注意すべきは需要増加に伴う原材料などの価格上昇。ゼノブレインは、原油、ガソリン、天然ガス、石炭などの燃料や鉄鉱石、ニッケル、コバルト、レアアースなど多数の素材、鋼材や建設資材はいずれも価格上昇が想定されるとし、これらを利用する企業の減益要因になるとの解析結果を示した。

〔分析対象記事〕

◎首都高、日中1000円上乗せ=未明は全ETC車半額―五輪・パラ期間中の渋滞対策

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会や政府、東京都は26日、大会期間中の渋滞対策を検討する会議を開き、首都高速道路の都内区間で午前6時~午後10時の間、主にマイカーを対象に通行料金を1000円上乗せする方針をまとめた。午前0~4時は、自動料金収受システム(ETC)を搭載する全車種を対象に、都外も含めた首都高全線で通常料金を半額にする。(以下省略)(8月26日配信)

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2019/09/02/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。

○〔ゼノブレインAI解析〕米中貿易摩擦、日本企業にも広範囲に打撃

米国のトランプ大統領が中国への制裁関税「第4弾」発動を決め、両国の対立が激化している。「米中貿易摩擦拡大」の影響について、ニュース

 米国のトランプ大統領が中国への制裁関税「第4弾」発動を決め、両国の対立が激化している。「米中貿易摩擦拡大」の影響について、ニュースや企業決算をAIを使って解析するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」は、①中国の対米輸出減少②米国の対中輸出減少③世界的な貿易量減少④人民元相場の下落ーが想定されるとのシナリオを導き出した。減収・減益要因になると見込まれる日本企業は幅広い業種に及ぶ。既に他の記事で紹介した人民元下落以外の影響は、以下のようなものだった。
 中国の対米輸出が減少する製品として挙げたのは、自動車、家電、家具、医療機器、半導体など。米国の対中輸出減少では、LNG、大豆、牛肉、自動車、航空機、鋼材などの品目を指摘した。中国や米国でこれらの製品に関係する日本企業の減収要因になるとの分析だ。
 貿易摩擦の激化で、中国は大豆など農産物の輸入先を米国から他国に切り替えるとみられている。ゼノブレインは、ブラジルとアルゼンチンの大豆、ロシアとカザフスタンのとうもろこし・小麦の輸出増加を想定。それに伴い海運、港湾倉庫・輸送業に増収の可能性があるとした。しかし同時に、世界の貿易量減少が海運をはじめ、航空・自動車・鉄道の貨物輸送の需要減少につながり、多くの業種の減収要因になると指摘。メリットを受けるのは、海上運賃低下で輸送コストが下がる少数の輸出企業にとどまると予測している。

〔分析対象記事〕

◎NY株、623ドル安=米中摩擦激化を嫌気
 【ニューヨーク時事】週末23日のニューヨーク株式相場は、米中貿易摩擦の激化を嫌気し、大幅反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比623.34ドル安の2万5628.90ドルで終了。ナスダック総合指数は239.62ポイント安の7751.77で引けた。
 中国政府はこの日、米国による制裁関税への報復として、米製品約750億ドル(約7兆9000億円)相当に最大10%の追加関税を課すと発表。これに対し、トランプ米大統領はツイッターで、対抗措置を取ると警告した。(以下省略)(8月24日配信)

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2019/08/26/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。

○〔ゼノブレインAI解析〕人民元の下落で「爆買い」減少を予測

米中貿易摩擦の再燃をきっかけに外国為替市場で急激な人民元安が進んだ。AIによるニュースや企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析したところ、「人民元相場下落

 米中貿易摩擦の再燃をきっかけに外国為替市場で急激な人民元安が進んだ。AIによるニュースや企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析したところ、「人民元相場下落」という経済事象は、日本企業にとって減収や減益の要因になる可能性が高いとの結果が示された。
 人民元が安くなると、中国人の海外旅行減少が予想される。ゼノブレインの解析結果でも、訪日中国人減少に伴うマイナスの影響を指摘するケースが大半を占めた。「爆買い」の対象とされる化粧品、医薬品、健康食品、家電製品、おむつ、コンタクトレンズをはじめ多数の商品の需要減少につながるとの予測になった。
 中国政府は輸出てこ入れのため、人民元安を静観したと報じられている。ゼノブレインは人民元安から想定される要因として、「鋼材輸出増加」を指摘し、中国で物流や港湾・倉庫事業を手掛ける日本企業の増収要因になると分析。また、人民元安は中国を訪れる外国人の増加につながるとして「中国のホテル需要増加」を想定し、増収候補に建設会社などを挙げている。ただ、こうしたメリットを受けると指摘された企業の多くは、訪日中国人減少など他の要因による減収予想が同時に示されており、単純にプラス効果だけという状況ではない。

〔分析対象記事〕

◎元安容認で米に対抗か=資本流出の恐れも―中国
 【北京時事】5日の上海外国為替市場で人民元の対ドル相場が、11年3カ月ぶりに1ドル=7元台に下落した。米中貿易摩擦が激化する中、中国には元安容認で低調な輸出を下支えするとともに、米国の圧力に対抗していく姿勢を示す狙いがありそうだ。一方、国外への資本流出が加速し、中国の金融市場が不安定化する恐れもある。
 中国は「管理変動相場制」を採用しており、市場介入などを通じて相場の急変動を抑えている。5日は意図的に介入を手控えたとみられる。(以下省略)(8月5日配信)

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2019/08/13/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。

【2019年8月13日 時事通信社提供 】 
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※ 時事通信社との提携記事 〔ゼノブレインAI解析 〕 シリーズは毎週月曜日に配信予定です。

○〔ゼノブレインAI解析〕猛暑到来、幅広い業種にプラス効果

全国的に梅雨が明け、これから夏商戦が本格化する。AIによるニュースや決算情報の解析サービス

 全国的に梅雨が明け、これから夏商戦が本格化する。AIによるニュースや決算情報の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で商戦記事を分析したところ、メリットを享受する企業群は、この季節の株式市場で投資テーマになる「猛暑関連銘柄」とほぼ一致する結果となった。
 分析対象記事は、レジャー施設、ビール、エアコン、夏物衣料などを扱う企業を取り上げ、販売増加を期待する声を紹介している。ゼノブレンでは、この記事から「猛暑発生」をトピックとしてピックアップし、ビールやアイスクリーム、清涼飲料、フェイスケア製品、空調機器などの需要増加を見込んだ。電力需要の拡大から石炭、天然ガス、太陽光発電のニーズも高まると予測した。また「総菜需要」も拡大すると分析。暑い日が続くと漬物、冷やし中華などの販売が伸びるとの連想が働いたようだ。
 一方、マイナスの影響として「日曜大工需要」の減少を見込んだ。暑くて戸外での作業は難しいと判断したとみられる。その関連で木材、電動工具などの需要も落ち込むと予想した。電力向けの需要が高まることで石炭や天然ガスの価格は上昇し、これらの燃料を利用する企業には減益要因になるとの分析も示した。

〔分析対象記事〕
◎猛暑到来、夏商戦が本格化 =プールにビール、巻き返しに期待=
 記録的な日照不足を招いた梅雨が関東甲信や東海で明け、本格的な夏商戦が到来した。今後は、沖縄地方を除き全国的に例年より気温の高い状態が続く見込み。7月前半に季節外れの寒さで出はなをくじかれた格好となったレジャー施設やビール業界などでは、巻き返しに期待する声が高まっている。(以下省略)(7月29日配信)

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2019/08/05/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。

【2019年8月5日 時事通信社提供 】 
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カジノ関連法案の今後と企業への影響

2016年12月、統合型リゾート整備推進法案、通称「カジノ法案」が参院を通過し、成立した。

インバウンド需要の喚起や周辺事業者への経済効果、ギャンブル依存症対策など、幅広い観点から注目を集めるカジノ法案について、本記事では、今後の動向と予想される各企業への影響を考察する。

カジノ関連法案とは

カジノ法案は、正式名称を 「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」 とし、2016年12月に制定されたた。

法案の冒頭、第1条は、以下のように始まる。

(目的)第一条 この法律は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とする。

この記載からも明らかなように、カジノ法案は「統合リゾート(IR)の整備を通じた観光振興、及び財政改善」を目的とした法案で、 カジノを含む統合リゾートはその手段の一つとして位置づけられている。

では、統合リゾート(IR)とは、どのような施設をさすのか。

統合リゾート(IR)は、リゾートホテル、温浴施設、映画館、劇場、アミューズメント施設、レストラン、展示会場等が集まった、いわゆる複合型観光施設をさすとされる。

海外では、シンガポールのベイエリア、マカオ、ラスベガス等が有名で、特にシンガポールは統合リゾート(IR)が観光産業に大きく寄与した例として、日本の「特定複合観光施設区域整備推進本部事務局」の検討資料の中でも、日本が参考にする事例として取り上げられている。

(参考) 特定複合観光施設区域整備推進本部事務局   IR推進会議取りまとめ(概要) 〜「観光先進国」の実現に向けて〜

カジノが開業するまで

カジノ法案の成立から既に2年半が経過したが、実際に日本でカジノが開業するまでの流れはどのようになるのか。以下にまとめた。

現在は、カジノ管理委員会の設置までが完了し、政府による統合IR基本方針の発表を待つ段階だ。

その後、実際のカジノ開業に向けては、候補地及び事業者選定、IRリゾートの開発を経る形となるため、カジノ開業時期については、現時点では流動的ではあるものの2025年頃を見込む声が多いといわれている。

現在の主要候補地

2019年7月時点で誘致を表明している候補地は下図の通り。

先述の通り、候補地の選定はIR基本方針の制定後となるため、具体的な時期については明言されていないものの、 各地の誘致合戦は盛り上がりを見せる。

一例としては、神奈川は横浜・山下ふ頭の立地を想定し、横浜の歴史とも調和したIRをアピール、長崎は佐世保市のハウステンボスへの誘致を表明し、世界初となる海中カジノ施設案の発表が話題を呼んだ。

一方で、誘致を行う都市でもカジノによる治安の悪化やギャンブル依存症患者増加への懸念は依然根強く、横浜で地元団体によりカジノ誘致断念を自治体に対して求める請求が行われるなど、誘致自治体は経済政策と住民感情の狭間で難しい判断を迫られているのが現状だ。

カジノ開業による各企業への影響

統合リゾート(IR)による経済効果は2兆円を超すとの試算もあり、 IR推進法、IR実施法が整備され、候補地選定も大詰めを迎えた今、 各業界への影響には、大きな注目が集まる。

各候補地の中でも、2025年に万博開催が決定した大阪は有力な候補地と目されており、仮に統合リゾート(IR)の候補地として大阪・夢洲(ゆめしま)が選定された場合に、各業界・企業へどのような影響が生じるのか、経済予測SaaS『xenoBrain(ゼノブレイン)』の分析結果の一部を見てみよう。

上図は、xenoBrainの分析結果の一部です。

大阪・夢洲が統合リゾート(IR)の候補地として選定された場合には、周辺地域に物流用地を所有する山九(9065)や上組(9364)等の企業に用地特需によるポジティブな影響が出る可能性が示唆されている。また、周辺での道路工事需要が高まることから、関西地盤で夢洲地区で既に工事受注実績もある五洋建設(1893)にも影響が出るだろう。

また、事業者選定リスクはあるものの、IRリゾートを手掛けるセガサミーホールディングス(6460)にも、大きなビジネスチャンスとなる。セガサミーはパチンコ・スロット関連機器でも実績を有し、リゾートホテルだけでなく、カジノ内で使われるスロットマシン等の機器需要も追い風となることが示唆さされている。

その他にも、実際のxenoBrainでは、警備サービス関連のセコム(9735)、綜合警備保障(2331)や、両替機、現金処理機を扱うグローリー(6457)、高見沢サイバネティックス(6424)、日本金銭機械(6418)、アミューズメント機器向けの電源装置の製造・販売を手掛けるオリジン(6513)に対する影響も示された。

これはあくまで大阪。夢洲が候補地として選定された場合に想定される影響であり、候補地によっては全く異なる事業者への影響が予想される。夢洲以外の候補地が選定された影響についてはxenoBrainの分析結果を参照されたい。

インバウンド需要喚起、地域経済活性化の目玉として大きな注目を集める統合リゾート、まずは直近に迫る候補地選定と事業者選定のタイミングまで、引き続き目が離せない。