スウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんがニューヨーク・国連本部での会合で、各国首脳に向け気候変動への取り組みが不十分だと涙ながらに訴えた。彼女の「気候スト」を報じたニュースをAI解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析すると、「人工衛星の需要増加」に関連する多数の要素がピックアップされた。衛星を活用した地球温暖化の現状把握は、対策を効果的に進めるために不可欠だとされる。グレタさんの問題提起に呼応して、AIが「現状把握を急げ」とのメッセージを発信したように見える。
日本は2009年に温室効果ガス観測衛星「いぶき」、18年には後継機「いぶき2号」を打ち上げ、全地球レベルで二酸化炭素の濃度などを精密に測定している。同様の衛星は米国でも打ち上げられ、国際的に連携して温室効果ガスの排出量の増え方をチェックする体制づくりが進む。これまで温暖化を測る「物差し」は十分とは言えず、衛星の活用に期待が高まっている。ゼノブレインは温暖化の解析結果として、人工衛星に関係する企業を最も多く指摘。具体的には、情報通信機器、半導体・センサー、炭素繊維、蓄電池などを手掛ける企業がずらりと並んだ。
しかし、衛星で観測するだけでは温暖化は止まらない。ゼノブレインは、人工衛星関係以外に、二酸化炭素の排出削減につながるとして、バイオマス発電と原子力発電の需要増、ガソリン車の需要減、代替燃料の需要増を挙げた。石炭火力発電の減少や太陽光発電の増加なども候補だと考えられるが、提示はなかった。原子力発電も需要が増加するかどうかは微妙な情勢だ。とはいえ、AIが示したように、人工衛星の活用による現状の正確な把握と温暖化対策の推進がいずれも重要課題であることは間違いない。
〔分析対象記事〕
◎グレタさん、カナダで気候スト=1週間で660万人が温暖化抗議
【ニューヨーク時事】気候変動対策を求める世界一斉デモ「世界気候ストライキ」最終日の27日、欧米やカナダなど世界各地で抗議デモが行われた。毎週金曜日に学校を休み、地球温暖化対策を訴える運動の火付け役でスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)はカナダ東部モントリオールのデモに参加、群衆を前に「私たちは世界を変えている」と訴えた。カナダのメディアが伝えた。(以下省略)(9月28日配信)
【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2019/10/07へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。
【2019年10月7日 時事通信社提供 】
※本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しております。
※ 時事通信社との提携記事 〔ゼノブレインAI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。