○〔ゼノブレインAI解析〕人民元の下落で「爆買い」減少を予測

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 米中貿易摩擦の再燃をきっかけに外国為替市場で急激な人民元安が進んだ。AIによるニュースや企業決算の解析サービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」で分析したところ、「人民元相場下落」という経済事象は、日本企業にとって減収や減益の要因になる可能性が高いとの結果が示された。
 人民元が安くなると、中国人の海外旅行減少が予想される。ゼノブレインの解析結果でも、訪日中国人減少に伴うマイナスの影響を指摘するケースが大半を占めた。「爆買い」の対象とされる化粧品、医薬品、健康食品、家電製品、おむつ、コンタクトレンズをはじめ多数の商品の需要減少につながるとの予測になった。
 中国政府は輸出てこ入れのため、人民元安を静観したと報じられている。ゼノブレインは人民元安から想定される要因として、「鋼材輸出増加」を指摘し、中国で物流や港湾・倉庫事業を手掛ける日本企業の増収要因になると分析。また、人民元安は中国を訪れる外国人の増加につながるとして「中国のホテル需要増加」を想定し、増収候補に建設会社などを挙げている。ただ、こうしたメリットを受けると指摘された企業の多くは、訪日中国人減少など他の要因による減収予想が同時に示されており、単純にプラス効果だけという状況ではない。

〔分析対象記事〕

◎元安容認で米に対抗か=資本流出の恐れも―中国
 【北京時事】5日の上海外国為替市場で人民元の対ドル相場が、11年3カ月ぶりに1ドル=7元台に下落した。米中貿易摩擦が激化する中、中国には元安容認で低調な輸出を下支えするとともに、米国の圧力に対抗していく姿勢を示す狙いがありそうだ。一方、国外への資本流出が加速し、中国の金融市場が不安定化する恐れもある。
 中国は「管理変動相場制」を採用しており、市場介入などを通じて相場の急変動を抑えている。5日は意図的に介入を手控えたとみられる。(以下省略)(8月5日配信)

【注】ニュース解析結果はゼノデータ・ラボ社のAIサービス「ゼノブレイン」によるもので、詳しくはhttps://xenobrain.net/jiji/2019/08/13/へ。本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。時事通信はゼノデータ・ラボ社に出資しています。

【2019年8月13日 時事通信社提供 】 
※本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しております。
※ 時事通信社との提携記事 〔ゼノブレインAI解析 〕 シリーズは毎週月曜日に配信予定です。