新型肺炎で「巣ごもり消費」拡大、関連企業の業績上昇の予測〔xenoBrain AI解析〕

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 新型コロナウイルスの感染拡大が人々のライフスタイルにも影響を及ぼし始めた。大規模イベントの中止が相次ぐ中、自宅で動画やゲームを楽しみ、食事は宅配サービスを利用するといった「巣ごもり消費」が増加しているという。株式市場では、マスクの需要急増やテレワークの導入加速と並んで関連企業の業績向上に期待が集まる。膨大なニュースと決算情報をAI(人工知能)で分析し、社会で起きる出来事が企業業績に与える影響を予測するサービス「xenoBrain(ゼノブレイン)」を活用して、消費者行動の変化が企業業績に与える影響を探ってみた。

 「モバイルゲーム需要増加」などをキーワードに分析すると、売り上げ増加が予想されたのは、インターネットを利用して商品・サービスを提供する企業やデータセンターなどシステム投資に関連する企業だった。一方、打撃を受ける企業には、外食産業や家電量販店などがピックアップされた。

モバイルゲーム需要増加により業績の上がる企業
xenoBrain解析結果より一部抜粋

 新型ウイルスの感染者が増えるに従って、天皇誕生日の一般参賀やアジア最大級のカメラ見本市「CP+(シーピープラス)」など多くの人が集まる行事が次々と中止になった。日本政府は感染拡大を抑えるため、2月末から2週間は大規模イベントの開催を自粛するよう呼び掛け、全国の学校に休校を要請。今後もプロ野球やサッカー、大相撲などのスポーツやコンサートなどの多くが中止や延期、規模縮小される見通しだ。

 海外に目を向けると、新型コロナウイルスの発生地である中国湖北省では、省内全域を対象に住民に外出禁止令を出し、香港ディズニーランドは休園に踏み切った。感染者が比較的多いイタリアでは一部の自治体が封鎖された。

 世界的に外出を控える動きが強まる中、注目されているのは自宅で楽しめる趣味や娯楽、インターネット通販の利用拡大だ。トレンドの先を読む株式市場でも「巣ごもり消費」が話題になっており、動画配信のUSEN-NEXT HOLDINGSや漫画アプリのAmazia、ゲームのスクウェア・エニックス・ホールディングス、食品宅配の出前館、在宅学習を手掛けるジャストシステムなど多くの企業の名が挙がる。

 「巣ごもり消費」についてAIはどのような予測を示すのか。ゼノブレインで新型ウイルスの感染拡大で想定されるライフスタイルの変化に関連するいくつかのテーマを設定し、解析を実行してみた。企業業績への影響が大きいと判定されたのは「EC(電子商取引)利用拡大」「モバイルゲーム需要増加」「フードデリバリーサービス需要増加」などだった。

 電子商取引・ネット通販増加の関係では、キャッシュレス決済の需要拡大に伴って売り上げ増加につながると想定された企業が多く、家電量販店や現金輸送を手掛ける企業にはマイナス要因になるとの結果だった。

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 新型肺炎が広がる中国でも自宅でゲームに興じる人が増えているように、日本でもモバイルゲームの需要が高まりそうだ。ゼノブレインは、モバイルゲーム事業を展開する企業の一部を増収の影響度が大きいとの予測を示すとともに、携帯電話サービスを提供する通信大手にとっても売り上げ増加につながると分析した。

 外食を控える動きが強まることで、料理やミールキットの宅配サービス、インスタント食品を利用する人が増えると予想されるが、ゼノブレインの分析ではやや意外なシナリオが提示された。宅配サービスを行う企業の業績に与えるプラス効果よりも、自動販売機需要減少による自販機メーカーや飲料会社に与えるマイナスの影響が大きいとの予測が出た。また、外食企業への打撃も「中程度」の影響が予想される分析結果となった。

 新型コロナウイルスの感染は、イタリアやイラン、ブラジルにも波及し、ニューヨークや東京をはじめ世界の株式市場は2月下旬、景気悪化への懸念から大きく値下がりした。マイナスの影響を受ける企業が多数を占めるだけに、マスクやテレワーク、巣ごもり消費に関連する企業には投資家の熱い視線が注がれている。

【2020年3月2日 時事通信社提供 】

《巣ごもり消費拡大により業績へプラスの影響度が高い企業》
3668 コロプラ
9684 スクウェア・エニックス・ホールディングス
9766 コナミホールディングス
3960 バリューデザイン
3784 ヴィンクス
2428 ウェルネット
2307 クロスキャット
6424 高見沢サイバネティックス
3623 ビリングシステム
6249 ゲームカード・ジョイコホールディングス


【注】
※ 本記事は、AIがアルゴリズムにより解析した結果を表示しております。また、登場する企業の総合的なリスク要因を鑑みた評価ではなくあくまで特定のトピックから受ける影響を予測しております。
※ 本記事は、特定の有価証券や金融商品の売買を勧奨するものではありません。
※ 本記事は、時事通信社とゼノデータ・ラボの提携に基づき転載しておりますが、タイトル等一部表現を変更している箇所がございます。
※ 時事通信社との提携記事 〔xenoBrain AI解析 〕 シリーズは毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に配信予定です。